榛原誌

榛原トリコの日々のクロッキー。

12月11日

強風強雨。しかも暑い。9月の台風のよう。
天気予報では、12月史上二番目に高い気温だといっていた。

 

娘は「昨日埋めた昆虫だいじょうぶかなー」と繰り返していたので、てっきり死骸のことかと思っていたのだが、よくよく聞くと、どうやらそれは「植えた球根」と言いたかったのであった。

 

幼稚園に送っていった夫曰く、娘は風で3度飛ばされたらしい。

手をつないでいた娘が追い風に乗って、ぶわっと押されて宙に浮いたのだそうだ。

この4ヶ月、毎月生理直前につわりのような、吐き気がしてめまいに襲われ更にひどいと止まらない下痢になってしまうので、婦人科を初診で訪れる。

受付のカウンターから、人工的な「いい匂い」風の臭いを強く出していて、途端にめまいがするほど気持ち悪くなり、妊婦さんはこれは大丈夫なのだろうかと疑問に思った。
安いラグジュアリー感溢れるロビーには、若いカップルがソファー席にそれぞれ座っており、ラブホテルみたいだ。
1〜2時間待ちますよ、と言われ、きっちり2時間本を読みながら待って、診察は問診のみで5分で終了した。

なにかホルモンバランスを調べられたり、子宮の病気を疑って診察したりするのかと思っていたのだが、PMSについての冊子を渡され、「ピルを飲むことは考えていますか」と尋ねられたので「いえ、考えていませんでした」と驚くと、女医は、PMSは対処療法でしか改善されないとボールペンで冊子に書き込みながら、対処の「処」の字ってなんだっけ、と言って、違う字を書いている。ピルの副作用とその期間、最悪の場合、等々を聞かされ、「やってみますか?」と言われ、即決しなくてはいけないことにも驚いた。
副作用とその最悪の場合の最悪なかんじが恐ろしくなってしまった私は、「ところでピルは、いつ飲むのをやめていいんでしょうか」と聞いた。

「好きな時にやめていいですよ」

「でも、やめたら、また症状がでてくるということですよね」

「おそらくそうです」

「ずっと飲み続けなくてはいけないということですよね」

無理だ、と思った。1日も休まずに飲み続けることは、ずぼらな私にできるはずがない。それに一ヶ月にたった1日気持ち悪くなるのが困っているのに、気持ち悪くなる日が増えるかもしれないというのは合点がいかない。

女医は「どうします?」と再び聞いた。私は、漢方の文字を見つけて、それについて尋ね、「漢方を飲んでみて、全然効果がないようならまたピルのことを考えます」と言った。言ったが、たった一日のことなのだから、ピルを飲むくらいなら我慢した方が良いなと思った。幸い周期は安定しているので、そのたった一日を家ですごすようにもできなくはないだろう。

山のような量の漢方と胃薬を出してもらって帰る。

 

娘を迎えに行くと、珍しく塗り絵をしており、しかもクーピーで、彼女にしてはとても細かく色を塗っていた。私が迎えに来ても、終るまでやめようとせず、先生が「もう40分も集中して塗り続けているんですよ」と言っていた。塗り終えて、娘は、「手が痛い。疲れた」と静かに言った。笠地蔵の笠が、黄緑と黄色と紫色に光っていた。

 

帰り道でも無口でなにかあったのかしら、それとも具合が?とハラハラしたが、早々にベッドに横たわると私の質問をさえぎるように「とにかく寝る…」と言い残して20秒で寝息をたてはじめた。

 

漢方を飲むのが食前で、うっかり飲み忘れてしまう。
若年性更年期障害ではないのかしら、と調べてみたが、更年期障害は生理周期と関係なく症状が出るようだったので、違うのかも。